副業している場合のふるさと納税徹底ガイド!メリットや注意点・計算方法など解説
ふるさと納税は収入額に応じて税金控除額が変わり、副業をしていると確定申告も原則必要になってきます。副業している人の中には、確定申告のやり方がわからないという方もいるのではないでしょう。
そこで本記事では、ふるさと納税の概要をご紹介しながら、副業収入がある場合の控除限度額の計算方法、メリット、注意点などを解説します。
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ふるさと納税とは
ふるさと納税は、2008年5月にスタートした寄附金税制です。地方と大都市の税収格差を是正するために創設されました。
利用者は全国の自治体の中から任意の自治体を選んで寄附をすると、住民税や所得税などの還付が受けられる仕組みです。
また、寄付先の自治体からは返礼品が送られてきます。特産品、農産物、工芸品、イベント、旅行など、自治体ごとにいろいろ返礼品が用意されており、寄附する人が自由に選べます。
なお、ふるさと納税の自己負担額は2,000円となっており、実質2,000円で返礼品がもらえるのでとてもお得です。
副業している場合ふるさと納税はできる?
国が副業を推進していることもあり、近年は本業以外の仕事や収入手段を持つ人が増えました。「副業収入があっても、ふるさと納税を行えるのだろうか」と疑問に思う方もいるこでしょう。
もちろん、副業収入がある人もふるさと納税は利用可能です。ふるさと納税は自治体への寄附であるため、誰でも利用できる制度となっています。
ふるさと納税の特徴は、年収が多い人ほど寄附金上限額(控除限度額)が増える点です。年収には当然、副業も含まれるため、そのぶんふるさと納税の寄附金上限額が増える可能性が高いでしょう。
副業収入を含めた控除限度額の計算方法
では、副業をしている人は、どのようにしてふるさと納税の控除限度額を調べれば良いのでしょうか。控除限度額を自分で計算するのは少し大変です。
「計算が苦手…」という方は、ふるさと納税ポータルサイトが用意しているシミュレーターを利用してみるとよいでしょう。
ここでは、シミュレーターを活用して、副業収入を含めた控除限度額の計算方法をご紹介します。
シミュレーターを利用する
利用したいと思っている納税ポータルサイトへアクセスして、シミュレーターのページを開いてみましょう。
シミュレーターには、総所得金額、生命保険料控除額、医療費控除額、住宅借入金等特別控除額、扶養家族などの入力項目が用意されています。
副業収入がある方は、総所得金額欄に本業と副業を合わせた金額を入力してください。
なお、納税ポータルサイトのシミュレーターで算出できるのはおおよその控除限度額です。正確な金額ではないので、参考程度に捉えておくと良いでしょう。
副業している場合ふるさと納税をするメリット
ふるさと納税には、自分が応援したい自治体を選んで寄附できる、自己負担額2,000円で自治体ならではの魅力的な返礼品がもらえる、所得税の還付や住民税の控除ができるなどのメリットがあります。
もちろん、本業のほかに副業をしている人でもこれらのメリットを受けられます。
副業収入があれば寄附上限額も増えますので、よりお得にふるさと納税を活用できることでしょう。
寄附上限額が増える
ふるさと納税の寄附上限額は、寄附をする人の年収によって変動します。年間の収入の総額が多ければ多いほど、ふるさと納税の寄附上限額がアップするのです。
たとえば、年収300万円の人が副業で年200万円の収入を得ていたとします。この場合は、年500万円の収入があるとみなされるため、同時に寄附上限額が増えます。
また、寄附上限額が増えることで、自治体からもらえる返礼品の選択肢が広くなるのもメリットです。返礼品の選択肢が増えれば、自分がほしいものが見つかりやすくなるでしょう。副業収入が多い人は、ふるさと納税をより楽しめるということです。
副業している場合ふるさと納税をする際の注意点
副業をしている人がふるさと納税を行う際の注意点は、ワンストップ特例制度を利用できないことです。
ワンストップ特例制度は、税金の還付を受ける際に確定申告が不要になる制度です。年間の寄付先が5自治体以下で、確定申告の必要がない方を対象としています。
副業収入がある場合は、原則として確定申告を行わなくてはなりません。そのため、副業収入がある人はワンストップ特例制度の対象外となります。
税金が増える場合がある
副業をしている人は、収入額によっては税金が増える可能性があります。年間収入や年間所得の金額が20万円以下の場合は、確定申告を行わなくても問題はありません。
ただし、ふるさと納税の控除限度額をアップさせる目的で、副業収入が20万円以下の人が確定申告を行うと、納める税金の額が増える可能性があります。
年間20万円以下の副業収入を得ている人は、確定申告によって増える税金の額、ふるさと納税の控除金額をよく比べておくと良いでしょう。
副業収入を含めたふるさと納税の手続き
副業収入がある人は、確定申告の必要性が出てくるため、給与収入だけの人よりもふるさと納税の手続きが少し面倒になる場合があります。
副業収入が20万円以上と副業収入が20万円以下では、ふるさと納税の手続きが異なるのです。ここでは、それぞれの手続きの方法をご紹介してきます。
副業収入が20万円以上の場合
副業収入が年間で20万円以上ある人は、原則として確定申告を行わなくてはなりません。確定申告を行うのは、ふるさと納税を行った翌年です。申告期間は例年2月16日~3月15日で、この間に税務署、申告窓口、オンラインなどで確定申告を行ってください。
確定申告の際には、寄付先の自治体から送付される寄附金受領証明書が必要です。確定申告まで時間がある場合は、紛失しないように注意しましょう。
もしも、寄附金受領証明書をなくしてしまった場合には、寄付先の自治体に連絡して、再発行が可能かどうか聞いてみるとよいでしょう。
副業収入が20万円以下の場合
副業収入が年間で20万円以下の人の場合は、確定申告を行わなくても問題はありません。
ワンストップ特例制度を利用すれば、簡単に手続きが行えます。利用できるのは、確定申告が不要な給与所得者、かつふるさと納税を行った自治体が5自治体以下の条件に該当する方です。
なお、この制度を利用する場合は、寄附金税額控除に係る申告特例申請書が必要です。寄付先の自治体から申請書が届きますので、必要事項を記入したうえで自治体へ返送してください。
ふるさと納税のやり方をおさらい
初めてふるさと納税を利用する方の中には、やり方がわからなくて困っている方もいることでしょう。
最後に、ふるさと納税のやり方をおさらいしていきましょう。ふるさと納税を行う際には、以下でご紹介する流れで進めてみてください。
控除金額の計算する
ふるさと納税を行う前に、自分の控除金額がどのくらいになるのかを計算しておきましょう。ふるさと納税は、寄附金額を自分で自由に決めることができます。
ただし、自分の控除上限金額を超えたぶんに関しては、税金の還付が受けられませんので注意が必要です。
限度額を把握しておけば、お得にふるさと納税を行うことができるでしょう。ふるさと納税の控除金額は、年間の収入額によって異なります。
副業収入が20万円以上ある人は、そのぶんも年間の収入額に加えて、控除金額を算出します。ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーターを活用して、自分の控除金額を調べてみると良いでしょう。
ふるさと納税のサイトを選ぶ
ふるさと納税を行う際には、インターネットサイトを使うのが便利です。
さとふる、ふるなび、ふるさとプレミアム、マイナビふるさと納税、au PAY ふるさと納税など、いろいろなふるさと納税ポータルサイトがあります。楽天やヤフーショッピングなどでも、ふるさと納税が利用可能です。
ふるさと納税ポータルサイトによって、掲載自治体数や返礼品などが異なります。なかには、独自のキャンペーンやポイント制度などを用意しているサイトもあるため、複数のふるさと納税ポータルサイトを比較してみるとよいでしょう。
寄附したい自治体を選ぶ
利用したいふるさと納税ポータルサイトが決まったら、次に寄附したい自治体を選びます。ふるさと納税ポータルサイトの検索欄などから、自治体を絞り込んでみるとよいでしょう。
返礼品のカテゴリ別、人気ランキング、寄付額から寄附したい自治体を検索することも可能です。
各自治体では、特産品、お酒、工芸品、家電製品、インテリア、飲料など、さまざまな返礼品を用意しています。体験ギフト、温泉券、割引券、宿泊券などを用意している自治体も少なくありません。
魅力的な返礼品を用意している自治体は、申し込みが殺到することもありますので、早めに手続きを済ませたほうが良いでしょう。
寄附金控除の手続きをする
ふるさと納税ポータルサイト経由で申し込みをしたら、後は自治体から返礼品が届くのを待ちましょう。お届けまでの期間は、自治体や返礼品によって異なります。すぐに発送されることもあれば、数ヶ月から半年程度の時間がかかることもあります。
また、寄附金控除の手続きも忘れずに行ってください。手続きの方法は、確定申告とワンストップ特例制度の2つのやり方があります。
副業収入が20万円以上の場合は確定申告、副業収入が20万円以下の場合はワンストップ特例制度を利用してみると良いでしょう。
副業収入ある人はお得にふるさと納税ができる!
副業収入がある人でもふるさと納税は利用できます。年間の収入が多いほど、寄附上限額が増えるので、副業収入がある人はふるさと納税をより楽しめることでしょう。
ただし、確定申告をすると、納める税金が増える可能性がある点には注意が必要です。税金控除の手続きの方法は、年間の副業収入の額によって異なります。自分に合った方法で手続きを行いましょう。