Amazon merch on demandとは?やり方・作成手順を徹底解説!
クリエイターが、自分のデザインした作品をAmazonで販売できる「Amazon merch on demand」をご存知でしょうか。デザインを登録するだけで、なんと受注から生産、発送までのすべてをAmazonが担ってくれるのです。
Amazon merch on demandを利用してみたい人のために、登録の仕方から商品の作成手順まで丁寧に解説します。
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Amazon merch on demandとは
Amazon merch on demand(アマゾンマーチオンデマンド:旧 Merch by Amazon)は、Amazonが運営するオンデマンドプリントサービスです。クリエイターがオリジナルのデザインを登録して、Tシャツ、トレーナー、パーカー、スマホケースなどを販売できます。
自分で作成したデザインをアップロードすると、Amazonに商品ページが作成されます。そして注文が入ると、Amazonがデザインを印刷した商品を作り、出荷・配送までしてくれるのです。クリエイターは、販売数に応じたロイヤリティを受け取ることが可能。煩わしい在庫管理や発送処理、注文者とのやりとりなどに時間や手間を割く必要がありません。しかも、登録料や利用料は無料です。
特に魅力的なのは、Amazon merch on demandを使えば、Amazonを利用している世界中の人々に向けて自分の商品を販売できるという点です。販売国は日本国内だけでなく、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペインも対象。注文があれば、商品は現地で生産・発送され、クリエイターはロイヤリティを得ることができるのです。
また、ユーザーは様々なデザインの商品の中からお気に入りの一着を見つけられるため、利用者側にとってもクリエイターとの新たな出会いを楽しめます。Amazon merch on demandには、ディズニーやサンリオといった大手ブランドやアーティストから、新進気鋭のクリエイターまで、様々な作者がデザインした商品が揃っています。
オンデマンドプリントサービスとは
Amazon merch on demandのサービスについてより深く理解するために、そもそも「オンデマンドプリント」とは何なのかという点から解説します。
オンデマンドプリントとは
「オンデマンド」とは「要求に応じて」という意味です。
つまり、オンデマンドプリントは、発注に応じて必要なときに必要なだけの数を印刷する方法。デジタルデータを直接プリントするため素早い印刷が可能で、1枚・1個からの少量の印刷を安く仕上げることができます。
対して、オフセット印刷と呼ばれる従来の印刷方法は、データをもとに一定数以上の量を製版・刷版するので、時間や初期費用がかかります。ただしその代わり、大量に印刷する場合は費用が安くなるという特徴があるのです。
オンデマンドプリントサービスのメリット
オンデマンドプリントサービスは、前述したオンデマンドプリントの特長を生かした販売形式です。クリエイターが自分のデザインを登録しておくと、注文が入るたびにサービスの提供事業者が1点ずつ商品を印刷・製造します。そして、クリエイターは、販売数に応じた報酬を受け取ることができます。
商品をあらかじめ作っておくオフセット形式では、先にコストがかかって、利益を回収できるかどうかわからない状態が発生します。また、商品の在庫管理には場所や手間もかかります。オンデマンドプリントの販売サービスを利用すれば在庫を抱える心配がなく、販売におけるリスクが少ないので、初めての人でも気軽にはじめられるのです。
Amazon merch on demand以外のオンデマンドプリントサービスとしては、SUZURI、Tシャツトリニティ、UP-Tなどが有名です。商品の売れ残りを防げるということは環境負荷の軽減にもつながるので、SDGsの観点からも注目を浴びている販売方法なのです。
Amazon merch on demandの開始方法
Amazon merch on demandはオンデマンドプリントサービスとしてクリエイターにとってさまざまなメリットがありますが、利用するためには、登録(申請)をして、審査に通過する必要があります。これが、少しハードルの高い点ですね。
登録(申請)の手順を解説していきます。
1:amazon.com(アメリカ版)のアカウントを作成する
Amazon merch on demandをクリエイターとして利用するためにはamazon.co.jp(日本版)でなく、amazon.com(アメリカ版)のアカウントが必要です。
1. まずは以下のページにアクセスしてください。
2. 「コンテンツ制作者のコミュニティに参加してみませんか?」という欄に表示されている「登録する」のボタンを選択します。
3. 「新しいAmazonのアカウントを作成」をタップしましょう。
4. 氏名・メールアドレス・パスワードを入力して「次に進む」を選択します。
5. メールアドレスに送信された確認コードを入力して「アカウントの作成」を選択するとamazon.com(アメリカ版)のアカウントが作成されます。
2:Amazon merch on demandのマイアカウントを設定する
アカウントの作成ができたら、Amazon merch on demandの利用を開始するための手続きを行います。
上記の手順から、続けてこちらの手順に移ります。
1. 「サービス契約」というページが表示されるので、内容を読んで問題がなければ「承諾」を選択します。
2. 「Amazon Merch on Demandアカウントに登録する」というページが開き、以下の情報を準備するように指示があります。
① 会社/個人連絡先情報、支払い通知メール受信用アドレス
② 銀行口座および支店番号、BIC(SWIFT)コード
※BIC(SWIFT)コード = 外国送金等で銀行の所在国・市・銀行名・支店を識別を特定する8桁または11桁の英数字コードのこと。「銀行名 BICコード」で検索すれば自分の銀行口座のBICコードを確認できます。
③ 納税者識別番号 (日本の法人:日本の法人番号、個人:日本のマイナンバー)
※米国の源泉徴収30%の引下げ/免除対象の申告ために必要となります。
3. 準備ができたら「続行」を選択します。
4. 「クリエイター情報」の入力ページが開きます。各項目を正確に入力していきましょう。
- 事業の種類
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 支払い通知用アドレス
- 銀行口座の情報
- 税金情報
「銀行の所在地はどこですか?」の入力フォームで国名を選択すると、口座の種類・口座番号・金融機関コード・支店コード・BIC(SWIFT)コード・事業の種類・生年月日・口座名義・口座名義人の住所を入力するフォームが表示されます。すべて入力したら「追加」ボタンを押して、一度「保存して続行」を選択すれば税金情報の入力に進めます。
「Merch By Amazon 税務プロファイル」というページが開きます。
納税区分・「あなたは米国市民、米国永住者(グリーンカード保持者)、またはその他の米国居住外国人ですか?」という質問への回答・税務上の身元情報(氏名・国籍・現住所・納税者番号)を入力して「続ける」のボタンを押します。
税制上の居住国を選択して「確認」を押し「保存してプレビュー」をタップすると署名のページへ移行します。内容を確認してチェックボックスを選択し、署名・日付を入力してから「フォームを送信」します。
「インタビュー終了」ボタンを押せば完了です。
5. 「保存して次に進む」を押して、マイアカウントの設定は完了です。
3:Amazon merch on demandの審査に申請する
Amazon merch on demandの利用には審査があります。この審査は必要項目さえ入力すれば通るというものではなく、残念ながら落とされてしまうことも多々あるようです。審査に一度落ちてしまうと、同じアカウントで再びリクエストを送ることはできません。ここは丁寧に準備して記入しましょう。
上記の手順から、自動的に続けてこちらの手順に移ります。
「登録フォーム」というページが開くので、各項目を丁寧に記入します。
1. 業種
プルダウンメニューから、合うものを選択します。
2. 組織名
ここで入力した組織名は、商品のブランド名として使われます。
3. 追加情報
「追加情報」という名前が誤解を招きやすいのですが「デザインに関するご経験や、Merchで作成する予定のデザインについてなど、ご自身について詳しくお聞かせください。」と書かれており、実際には最も重要な項目です。
デザインの経歴や、Amazon merch on demandを利用する上でのビジョンなどをできるだけ明瞭に・具体的に記入しておきましょう。
4. ウェブサイト(オプション)
必須項目ではありませんが、実際に自分のデザインを見てもらった方が審査は通りやすいかもしれません。
クリエイターとして自分のサイトやブログを持っていれば、そのURLを。ポートフォリオがあれば最適です。それらがなければ、Amazon merch on demand以外で使っているオンデマンドプリントサービスのマイページのURLなどを記入しても良いでしょう。
5. 最後に、画像に表示された文字を入力します。
6. 入力内容をしっかり見直して「リクエストを送信する」のボタンを押せば完了です。
4:アカウントの承認メールが届く
リクエストを送信した後は、Amazon merch on demandから審査結果のメールが届くのを待ちます。
無事審査を通過すれば、Amazon merch on demandの利用を開始できます!
申請は、一般的に14日以内に処理されます。なかなかメールが届かないときは、Merchポータルにログインしてアカウントのステータスを確認することもできます。14日以上待っても連絡がない場合は、お問い合わせフォームから確認してみましょう。
amazon merch on demandでの商品作成手順
アカウントが承認されたら、早速Amazon merch on demandで販売する商品を用意しましょう!
商品の作成手順と登録方法・ティアシステムについて解説します。
商品の作成手順と登録方法
1. まずは、Amazon merch on demandの管理ページからテンプレートをダウンロードしたうえでIllustrator・Photoshop・GIMPなどでデザインのデータを作成します。
・データは透過PNG形式、解像度300dpi、sRGBカラースペース、25MB以下で保存します
・作りたいアイテムごとの画像サイズ
“ ・4500px × 5400px - Tシャツ、スウェットシャツ、長袖Tシャツ、プルオーバーパーカーの背面
・4500px × 4050px - プルオーバーパーカー、ジップパーカーの前面
・485px × 485px - ポップソケッツのみ
・1800px × 3200px - iPhoneおよびSamsungのスマートフォンケース
・2925px ×2925px - トートバッグとスロークッション“
(Amazon merch on demand「商品テンプレートのダウンロード」より引用 ※1)
・注意:デザインを制作するときは、既存のキャラクターや他人のデザインを使用してはいけません。著作権や商標権の侵害がみとめられると、アカウントは予告なしに削除されてしまいます。デザインはオリジナルのものであることが必須条件です。
2. テンプレートを使って商品を作成します。
・Amazon merch on demandの管理ページから「作成」を選択します。販売したい商品を選び、データをアップロードしましょう。画像の位置やサイズを確認・調整します。
3. 「詳細の編集」を選択して、フィットタイプ(メンズ/レディース/キッズ)・カラーバリエーション・希望価格を入力します。
・希望価格を入力すると、自動でロイヤリティが計算されます。ロイヤリティとは、その商品1点が売れたときに得られる報酬の金額です。販売価格は自由に設定できます。後から変更することも可能です。
4. デザインのタイトル、ブランド、特徴1・2、商品説明を入力します。
・様々なキーワードを盛り込むことで、登録したデザインが多くの人の目に触れる機会が増えるでしょう。
・海外ページ用の商品説明を入力するのが難しい場合は、自動翻訳を設定しましょう。
5. Amazonでの検索を設定します。
・基本的には「検索可能」にしておけばOKです。商品ページはAmazon上で公開され、検索に応じて表示されます。
・「検索不可」にした場合、商品のページはAmazonの検索結果に表示されません。販売対象を限定したい場合に利用すると良いでしょう。
6. 「公開」のボタンを選択します。
7. 「管理画面を表示」を選択すれば登録完了です。
8. あとはAmazon側の審査によって、商品のステータスが「審査中」→「処理中」→「公開中」と変化していきます。「公開中」になれば、商品の販売が開始されたということです。
ティアシステムとは
Amazon merch on demandで商品を登録する際には、ティアシステムというものがあります。
ティアシステムとは、簡単にいえば商品の提出数の制限です。最初の時点では、登録できるデザインの数には「10点」という制限があります。さらに、1日に登録できるデザインは1点のみと決まっているのが、少しもどかしいところです。
登録できるデザインの数は、販売実績を積むことなどで評価を得ると「10→25→100→500…」というようにだんだん増えていきます。アカウントのランクシステムのようなものですね。
現在の自分の登録上限数は、管理ページの「アカウントステータス」から確認できます。
Amazon merch on demandを始めてみよう!
Amazon merch on demandに登録すれば、Amazonを利用する世界中の人に向けて自分のオリジナル作品を販売することができます。登録のハードルは少し高く感じるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。
※本記事に掲載している情報は、記事更新時のものになります。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があるため、最新の価格や商品詳細については各販売店やメーカーにてご確認ください。
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