「千と千尋の神隠し」モデルの旅館はどこ?舞台となったと言われる旅館をご紹介

「千と千尋の神隠し」モデルの旅館はどこ?舞台となったと言われる旅館をご紹介

「千と千尋の神隠し」といえば、言わずと知れた日本アニメ映画史に残る名作です。この映画では温泉旅館が舞台となっていますが、この旅館を描くにあたってモデルとなったとされている実在旅館が複数あります。日本はもちろんのこと、台湾の旅館もモデルになったのではという声も。今回は、「千と千尋の神隠し」のモデルとなったといわれる旅館をご紹介します。

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千と千尋の神隠しとは

「千と千尋の神隠し」は、2001年にスタジオジブリが制作したアニメ映画です。スタジオジブリといえば、宮崎駿さんが率いる世界を代表するアニメ制作会社で、これ以外にもさまざまなヒット作を生み出してきました。

数あるジブリ作品の中でも「千と千尋の神隠し」は群を抜いた興行収入をたたき出したことでも有名です。

そんな中で、「千と千尋の神隠し」は316億円ものメガヒットを記録し、日本映画史上最も見られた映画となったのです。また、専門家の間でもこの作品の評価は高く、アカデミー賞まで受賞しています。

あらすじを簡単にチェック

あらすじを解説すると、10歳になったばかりの少女荻野千尋は家族3人で引っ越し先に向かうところでした。父親の思い付きで正規ルートを外れ、トンネルのある道を選びます。トンネルを抜けた先にあったのは人っ子一人いない町でした。そこで、飲食店に入った父親と母親は、そこに置かれていた料理を食べてしまった結果、豚になってしまいます。

町から脱出しようとした千尋は、途中でハクという少年に出会い、仕事がないと豚のような動物に変えられると説明されました。ハクに案内され湯屋に赴いた千尋は、そこの主人である湯婆婆に直談判し、ここで働かせてくれと頼みます。

湯婆婆はそれを受け入れる代わりに千尋から名を奪い、これからは「千」と名乗るように命じました。千尋は自分の名前を忘れないように心がけつつ、湯屋で働きはじめます。

千と千尋の神隠しの舞台は台湾?

物語の面白さやイキイキとしたキャラクターが有名な「千と千尋の神隠し」ではありますが、それ以上に有名なのが豪華絢爛な湯屋の描写です。照明によって煌々と照らされた外観は城を思わせ、内装も極めて美しく多くの視聴者を魅了してきました。

そのため、この湯屋は一体どの旅館をモチーフにしたのかと、公開時から現在に至るまで考察が繰り広げられています。

最初は宮崎駿さんが日本人であることも相まって、日本の旅館ではないかという推測が行われていました。とはいえ、「千と千尋の神隠し」で描かれている湯屋はどこか日本らしからぬ雰囲気があるのも事実です。

そのため、実は海外の旅館をモチーフにしているのではないかという意見も出てくるようになりました。その中の一つに、台湾の九份(ジォウフン)が挙げられます

九份の目玉は豪華絢爛な旅館であり、それこそ「千と千尋の神隠し」に出てくるような旅館があちこちに建てられています。

そのため、ここがモデルではないのかとささやかれ続けていたのですが、近年になってこの説は怪しくなりました。

というのも、宮崎駿さんが台湾メディアの取材に応じた際、「千と千尋の神隠し」のモデルは九份なのかという質問をぶつけられたのです。その時、宮崎さんは製作中に九份に訪れたことはないと明言しました。

千と千尋の神隠しのモデルになった旅館とは

では、果たして湯屋のモデルは一体どこなのでしょうか。宮崎駿さんはどこもモデルとすることなく自力であの旅館を生み出したのでしょうか。実はその可能性もありません。宮崎監督はこれまで訪れた複数の旅館を組み合わせながら「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋を作ったと明言しているからです。

つまり、一つの旅館のみをモデルにしているわけではなく、いくつかの旅館のいいところを拾い上げながら作品を作ったと言えるでしょう。

そこでここからは、「千と千尋の神隠し」のモデルとなったのではないかと言われる旅館をいくつかピックアップしてご紹介していきます。

元禄旅籠 油屋

「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋は「油屋」という名前です。実は、公開当初はこの油屋という名前をもとに、ここがモデルになったのではないかとされている旅館がありました。それこそが岡山県にある元禄旅籠 油屋です。

旅館の名前にある通り、江戸時代から営業を続けている老舗旅館であり、「千と千尋の神隠し」のために造られた旅館ではありません。

積善館

あらすじを紹介するところでも述べましたが、千尋たち家族はトンネルを抜けて湯屋のある町へと導かれていきます。群馬にある積善館の旅館の通路は、千尋たちが通っていったトンネルを思わせるような造りになっています。

旅館の造り自体はそこまで豪華ではありませんが、旅館まで続く橋の欄干は赤く染まっており、そのあたりも「千と千尋の神隠し」を思い出させてくれます。

歴史の宿 金具屋

長野県にある歴史の宿 金具屋は、国の有形文化財として登録されている旅館で、昔ながらの設備にこだわりがあります。まるで昭和にタイムスリップしたような感覚を味わえる宿であるため、常連客も少なくありません。

夜になると旅館がライトアップされ、まさに「千と千尋の神隠し」に出てくるような美しい姿を見ることができます。旅館の中には赤提灯などもしつらえられているので、それこそ異国の空間にワープした千尋になった気分で泊まれる宿と言えるでしょう。

道後温泉本館

「千と千尋の神隠し」のモデルとされている旅館の中には、旅館側が勝手に自称している場合やファンの間で噂になっているだけのものも。一方、そんな中でも愛媛県にある道後温泉本館は間違いなくモデルと言える旅館です。宮崎監督は道後温泉本館をモチーフにしたと言っていたと述べているからです。

あさやホテル

「千と千尋の神隠し」を見た人が真っ先に挙げるのは吹き抜けの壮大さでしょう。日本の古い旅館ならではの圧倒的な吹き抜けを見事に描いたため、海外からも「千と千尋の神隠し」は絶賛されているほどです。

そんな中で注目を浴びたのが、栃木県にあるあさやホテルです。あさやホテルは二棟建ての高層ホテルで、そのうちの一つ秀峰館は13階建てになっています。そのため、吹き抜けは高くできており、見上げただけでは全貌を見渡せないほどの造りになっています。

ホテル雅叙園東京

道後温泉本館のほかに、宮崎監督が明言したモチーフとして目黒雅叙園があります。目黒雅叙園は、結婚式が行われる場所としても有名です。雅叙園はホテルでありながら、一般見学も受け付けています。

百段階段と呼ばれる欅でできた階段は、普段は立ち入ることができず、数年に一回だけ一般公開されているほど貴重な文化遺産となっています。

現在では、目黒雅叙園はホテル雅叙園東京と名前を変えて営業をしており、もちろん宿泊も可能です。

「千と千尋の神隠し」の聖地はたくさん!

今回は、巷でモデルではないかとささやかれている旅館や宮崎監督直々にモデルだと明言している旅館まで、いろいろな場所をご紹介してきました。「千と千尋の神隠し」の湯屋は日本全国のさまざまな旅館をモチーフにしながら作られたものです。そのため、今回は紹介しきれなかった聖地がたくさん存在します。今回紹介した旅館だけでなく、いろいろな旅館を訪れてみて、昔ながらの日本の風景を味わってみてください。

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